独EOS社と共同でレーザー焼結システム向け成形材料を開発

今後も緊密な協力関係を推進

レーザー焼結は、CADなどの3次元データから、スライス形状の2次元データを生成し、薄く敷かれた粉末状の成形材料を一層ずつレーザーで 任意の形状に焼結しながら積層することで、製品を造形する3次元造形技術である。この技術は、電子データから直接部品を加工するため、 短納期で、設計の自由度が高くコスト効率に優れた生産方式であり、商品開発を加速すると共に、生産工程の最適化を実現でき、e-Manufacturing （ITを活用した生産技術）の主要技術を担う加工方法として注目されている。

レーザー焼結に用いられる成形材料としては、ブロンズ系や鉄系などの金属材料、鋳造用の砂に加え、ポリアミドやポリスチレンといった 樹脂材料が利用されているが、高機能樹脂については溶融温度が高いため、これまで利用されていなかった。しかしながらEOS社では、 レーザー焼結技術が、高機能樹脂を用いた小ロットで複雑形状の製品に理想的な製造技術であると考え、世界初となる高機能樹脂に対応した 高温仕様のレーザー焼結システム「EOSINT P800（イオシント）」を開発、2008年12月に独フランクフルトで開催されたEuromold2008展で 発表している。

EOS社の創設者でCEOのハンス・ランガー博士は「この高温仕様システムの開発は、レーザー焼結技術の将来に向けた大きな前進です。」 としており、また「VICTREX PEEKを原材料とするEOS PEEK HP3は、ビクトレックス社との緊密な連携により共同開発された成形材料で、 高温仕様のEOSINT P800で利用可能な最初のPEEK材料です。EOS PEEK HP3は、今後レーザー焼結向け高機能材料を開発していく上での基礎 となるものです。私たちは、世界的なPEEKメーカーであるビクトレックス社との緊密な協力関係を楽しみにしています。」と話している。

ビクトレックス社日本法人であるビクトレックスジャパン株式会社（社長：リチャード・オカップニャック、本社：東京都港区）の前薗は 「VICTREX PEEK樹脂は、高耐熱性、軽量化促進、高引張強度や生体適合性といった卓越した複数の特性をバランス良く発揮する高機能樹脂で、 自動車、航空宇宙、医療や一般工業といった様々な産業分野で広く用いられています。」としており「レーザー焼結技術は、あらゆる産業 における技術者、開発者や製品設計者に対して、より一層の設計の自由度を提供することができます。積層によるビルドアップ法は、3次元 形状製品の製造に当たり、生産およびコスト効率の大幅な向上に貢献します。この技術により、VICTREX PEEKの更なる用途拡大が進むものと 期待しています。」とコメントしている。

尚、EOS社製品の日本国内での販売は、株式会社NTTデータエンジニアリングシステムズ（代表取締役社長：渡辺雅治、本社：東京都大田区）が 担当している。

EOS社について：

EOS社は、1989年に設立されたレーザー焼結システムの世界的大手メーカーである。レーザー焼結は、直接電子データから部品を製造する ため、速く、フレキシブルで費用対効果に優れた製品生産方法であり、e-Manufacturingの主要技術である。レーザー焼結は、商品開発を加速 すると共に、生産工程の最適化に貢献する。EOS社の2007/2008会計年度における売上高は、前年比17%増の約7000万ユーロ。同社は全世界に280名 の従業員を擁し、230名は独ミュンヘン近郊クライリングの本社に勤務している。
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ビクトレックスジャパン株式会社
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